照明のほとんどがLED照明器具を組み合わせて構成する時代となり、間接照明を設置する意義が大きくなってきました。
間接照明のメリット・デメリットをざっとまとめると、以下のようになります。
■メリット
①人間は母親のお腹の中に居るときに、外部の
光を間接的に浴びていたため、そのときのリ
ラックスした状態を思い出し、間接照明を好
む傾向があると言われている
②LEDは蛍光灯と違って配光角度が狭いため、
直接照明では天井や壁などの大きな面積を明
るくするのは苦手であるが、間接照明を設置
することにより、大きな面積の輝度を高める
ことができる
③間接照明に使用する器具は、単純な形の照明
器具なので、比較的ローコストで施工できる
④調光・調色・カラー切り替え機能などが付い
ている照明器具を選定すると、室内を朝から
夕暮れまでの雰囲気にしたり、パーティの雰
囲気を盛り上げる光の構成にできたりと、
LEDならではの効果が発揮できる
以上が主なメリットですが、間接照明を設置することにより、直接照明による全体照明の器具を減らすことが可能ですので、コスト的にも有利となります。
そして何よりも、柔らかな光が心を癒してくれる、居心地の良い空間が生まれることが最大のメリットだと思います。
■デメリット
①間接照明は、建築工事によって天井を折り上
げたり、見上げたときに器具が見えないよう
に細工を施したりする必要があるため、建築
工事費が高くなる場合がある
②LED照明器具のうち、ダウンライトや埋込型
の照明器具は、離れたところから見ると点灯
感がなく空間が暗く見えることがあるため、
天井や壁に間接照明を設置していても、蛍光
灯照明器具を設置していた時代のイメージか
らは暗く感じることがある
以上が主なデメリットです。
(壁面の間接照明を点灯したとき)
(壁面の間接照明を消灯したとき)
(天井面の間接照明を点灯したとき)
間接照明を設置すると、蛍光灯照明器具が設置された満遍なく明るい部屋のイメージがあるため、暗く感じることがあると思います。
ただ、人間にとって「満遍なく明るい部屋の中で活動するのか」「必要な場所に必要なだけの光を確保しながら活動するのか」というテーマの研究は進んでいます。
持続可能な社会の形成にとっても、間接照明を取り入れた「多灯分散照明」と言われる照明計画を推進することが必要になるでしょう。
最近では、体内時計と照明の関係、認知症と照明の関係など、学術論文も発表されているそうです。
照明というものは、本当に奥が深いものです。
続きは、次回の投稿で書かせていただきます。最後までお読みいただき、有難うございました。