出店を考えたときに、まずは自分が「どのような店をオープンしたいのか」をイメージした後、その次に実行しなければならないことは競合店調査です。
競合店調査は、店舗開発担当者の間で「ストコン(ストアコンパリゾン)」と呼んでいましたが、大手企業で店舗を多数展開しているチェーンストアはいざ知らず、個人でお店を持ちたい方にとって、最も重要な行動であると言っても過言ではありません。
具体的には、どのような業態の店舗を出店したいかによって変わりますが、概ね出店したいポイントから半径1km~2km程度にある既存の繁盛店に出向き、実際に店内に入り接客を受け、商品を注文し、繁盛している要因を調査するのです。
出店を考える際に、机上である程度の計画を立てることは可能ですが、競合店調査をせずに計画を進めることは危険です。競合店調査をしていない出店計画は仮説の域を出ていないものですので、それを検証するためにも自分自身で体験することがものすごく重要です。
ただし、競合店調査には注意しなければならないことがあります。
一つ目は、調査対象としたお店に出向いたときに、そのお店の長所(強味)を徹底的に調べることです。
なぜなら、自分の実力に自信のある人ほど陥りやすいのですが、競合店の短所(弱み)をピックアップしてしまうことが多いからです(信じられないかも知れませんが、ほとんどの人はそうなります)。
二つ目は、ハード面とソフト面とを切り分けて調査をすることです。
競合店の店舗デザインや清潔感、品揃え(飲食店ならメニューの豊富さなど)、接客の素晴らしさなどに目を奪われがちですが、そこの基本にある考え方や、それらの強味を作り出している方法に目を向けないと、自分が出店するお店に生かすことができません。
三つ目は、1回だけの競合店調査で分かったつもりになるのではなく、できれば1年間かけて毎月1回は調査に行きたいものです。
なぜなら、繁盛店は年中同じ売場や同じメニューで営業していることは少ないので、1年の四季を通してどのような催事を展開しているかを確かめることが、自店にとって非常に参考になるからです。
あと、細かな調査項目としては、家具、什器、厨房設備などのサイズやレイアウト、各通路幅や従業員の動線などをメモしておくことも役に立ちます。
このような調査は、事前に「建築知識」のような雑誌や書籍で学習し、小さなノートに基本的な寸法などを書き出して持っていくと、慌てることなく調査ができます。
競合店調査を終えた後に、当初考えていた出店計画の仮説を修正し、実施計画の作成を行います。
こうすることで、競合店との差別化や売上予測の確実性が飛躍的に向上し、お店の成功の確率が増してきます。
続きは、次回の投稿で書かせていただきます。
最後までお読みいただき、有難うございました。