出店計画で一番大切なことは、無駄な投資を抑えることです。
なぜなら、お店をオープンし営業しながら投資を回収しなければならないからです。
お店が立ち行かなくなるケースは、資金がショートし投資が回収できず、債務超過に陥るということなのです。
特に小売業や飲食業は、常に仕入れるための運転資金が必要であるため、利益を全て返済にあてることができません。
お店を持ちたいと考え、開店資金の目途が立ち実際に出店計画をイメージできるようになったころは、「さぁ、やるぞ!」という気合のスイッチが入り、ものごとを俯瞰して見ることができなくなりがちです。
そんなとき気持ちが大きくなり、アバウトなお金の使い方をしてしまう可能性があります。
出店計画は、まず全体予算を決めることが最も重要です。
「〇〇万円以内で出店する」という枠を設定し、予算内でやりくりをすべきです。
予算を立てる際には、「ヒト、モノ、カネ、ノウハウ」に分け、さらにそれぞれの項目ごとに必要なものピックアップしていきます。
例えば・・・
☆ヒト ➡ 従業員は営業時間帯ごとに何人必要か/求人はどのような方法で行うか/採用後、どのようなレベルまで教育するか etc
☆モノ ➡ 建築・設備・内装・外構等の内容はどうするか/什器・備品は何が必要か/消耗品は何が必要か etc
☆カネ ➡ 見積はどの業者に依頼するか/自己資金を超える資金調達はどうするか/人件費、物件費、返済等の営業外費用、その他の経費/投資回収の可能性は高いか(必ず投資回収シュミレーションを作成する)/利益(売上-費用)は本当に実現するか etc
☆ノウハウ ➡ 店舗デザインの知識、建材・設備の知識、メンテナンスの知識、作業の標準化ノウハウ(マニュアル作成・教育)、マーケティングのノウハウ etc
ただ、これらのピックアップを一人で行うのは、ものすごく大変です。
自分一人でやろうとしても限界がありますので、家族や友人・知人の中で専門的な知識を持っている人物がいれば、相談相手になってもらうことも必要です。
出店に必要な全ての項目がピックアップでき、見積も揃い予算が決まったら、次に準備に必要な期間を見積もります。
ここで、基準となるのは工事期間です。
テナントビルの一室を賃借して店舗を設けるにしても、工事期間を含め1ヶ月程度はかかります。
ですから、建築・設備・内装等の工事見積を専門業者に依頼する際には、工事の工程表も同時に依頼しておく必要があります。
建物を賃借してお店をオープンする場合には、稼働前にどうしても1~2ヶ月分の家賃を負担することになります。
空き店舗が出たら、すぐに次のテナントが決まるような人気の場所では難しいかもしれませんが、オープンまでの準備期間中はビルオーナーと誠意を尽くして交渉し、賃料の減額をお願いすることも必要です。
オーナーにとって空き店舗を抱えているよりも、次のテナントが決まり賃料収入がある程度見込めるのですから、話を聞いてくれるかもしれません。
この場合注意が必要な点は、契約締結前に賃料の交渉を行うことです。
もし準備期間中の賃料減額に応じてもらえるときは、賃貸借契約書にその内容を入れてもらうか、別途賃料減額に対して覚書を締結しておく必要があります。
このあたりのことは、仲介業者である宅建業者に相談するとよいでしょう。
続きは、次回の投稿で書かせていただきます。
最後までお読みいただき、有難うございました。