お店の内装は、選定する材料によってローコストで仕上げることは可能です。
クロスも現在では、様々な木目や色とりどりのオシャレなもの、石調や塗り壁調などがあり、化粧板もリアルに見える優れたものがたくさん販売されています。
床材もセラミックタイルで、デザイン性にも優れたものが販売されているため、天井・壁・床の内装材を組み合わせることにより、オーナーの希望に近いデザインにできると思います。
また、予算に余裕があれば、無垢材を使ったり本物の塗り壁にしたり、床に本物の石を使ったりすると、一段グレードアップした仕上がりになります。
ところが、内装デザインというものに決まった答えがないため、内装材の選定や施工する範囲を間違うと、統一感がなくバラバラな印象になり、お店のコンセプトからかけ離れたデザインになってしまいます。
それでは、内装はどのように考えればよいのでしょうか?
私の失敗や成功した事例からまとめると、以下のようになります。
◎原則
→お店で扱う商品や料理のコンセプトに関連付けること(和のものを扱うなら和風に、洋のものを扱うなら洋風に)
◎高さを合わせる
→壁のデザインを切り替える位置の高さを合わせる(あえて高さを合わせないデザインもある)
◎お客様にストレスを感じさせない
→物理的に尖ったディスプレイ等をお客様の方へ向けない、人のリアルな顔を描かない(好き嫌いがあるため)、大面積に木目調のデザインを施すときは木目を横流しにする etc
◎脳科学的に人間が好む空間を意識する
→人間は先祖から受け継がれてきた記憶の中に、姿を隠せる木や緑、脅威の存在を確認できる地平線や水平線を好む
◎照明との組み合わせを想定する
→内装デザインは単独で考えるのではなく、照明を想定して仕上がりを確認する(空間を暗く見せるのか、明るく見せるのかで色の選定が変わる)
内装は、お店の空間づくりの主要な要素であり、競合店との差別化にとって重要な要素でもあります。
だからといって、大きくコストをかけてしまうと、投資回収が大変です。
では、どうすればいいかと言うと、やはり優れたお店に何度も足を運び、そのお店の内装の優れている点やデザインの意味を汲み取って、自店に応用することが一番確実です。
お店のハード面のデザインは、建築デザインの経験者でもない限り、妥協したり施工業者に丸投げしたくなるものです。
それを防ぐには、「こんな店にしたい」と思える憧れのお店を見つけることです。
そんなお店を見つけ、何度も足を運んでいると、別のお店に行ったときに違和感を感じるようになります。
「その違和感はどこからきているか」が理解できるようになれば、自分のお店の空間デザインのイメージが明確になってきます。
続きは、次回の投稿で書かせていただきます。
最後までお読みいただき、有難うございました。